生まれ故郷の雑木林 平成23年3月26日
私の住まいから、生まれ育った実家まで車で15分、これほど近くに住んでいれば普通なら生まれ故郷とは言わないかもしれません。
それでも私にとって故郷は故郷、実家周辺の雰囲気に子供の頃の心象風景を思い出し、いつも懐かしさを感じます。
実家は40年近く前に分譲された住宅地にあります。
この分譲地はかつて、なだらかな丘陵地を削って造られたようで、当時は地層がむき出しの削られたままの崖面が分譲地の際を囲んでいました。
当時は赤土むき出しの崖だったところが、40年たった今、雑木の斜面林へと見事な変貌を遂げていました。
ここがまだ赤土の崖だった頃、足掛けの穴を掘って登ったり、滑ったりして遊んだものです。
それが今、森になっているのです。雑木の林床には様々な常緑樹が進入し、次の森への遷移の機会をうかがっているようです。
そしてこの崖の上、子供のころに遊んだ雑木林に踏み入ってみました。
かつての森の深さはありませんが、今でも昔の雑木林が点々と残っていました。林内は背丈以上の笹や棕櫚、ヤツデなどに覆われています。
私が子供の頃、30年以上前は、雑木林は子供の遊び場でした。当時の林床はきれいに草刈りされて、林内を駆けまわれたものです。虫を追いかけ、木の上に小屋をつくり、地面に洞窟を掘って基地をつくった。
農村の暮らしと森とが密接にかかわっていた時代の名残があったのでしょう。
今、森で遊ぶ子供の姿は見られません。
今となっては思い出の中の光景です。実際、私たちの今の生活が森から離れて成り立っているので、仕方ないことかもしれません。
森遊び、楽しかった思い出です。今も同じようなことを私はし続けているのかもしれません。