事務所の春と新入りのご紹介 平成23年4月13日
新緑の季節となりました。多難な時期となったこの国にも、こうして春は等しく訪れるようです。
「国破れて山河あり 城春にして草木深し」 そんな句が身にしみます。
我が事務所の門の前、ユスラウメが清らかな花を咲かせてくれています。
クロモジの花は盛りを過ぎて、爽やかな新葉が開き始めています。
雑木の木陰で毎年花を楽しませてくれるのはヨシノツツジです。私の大好きなツツジです。
トサミズキの花も盛りを過ぎましたが、雑木の早春の風景を今年も存分に楽しませてくれました。
アセビの花。毒草です。馬酔木と書いてアセビと呼びます。これを食べた馬が、花や葉に含まれる毒の作用で酔っぱらったようにふらふらになることから、馬酔木と書かれるようになりました。
アセビは雑木の木陰の景色によく似合います。
事務所の庭に来て10年以上になるお地蔵さまは、震災の影響で、この位置に引越ししました。
震災の時に倒れて、犬走りの叩きに後頭部を痛打してしまったのです。これまでの位置では、地震の際にまた倒れて、後頭部をぶつける恐れがあるため、安全な場所に引越しすることになりました。
この庭を知り尽くしているお地蔵様だけに、この場所にもよく似合います。
そして庭のニューフェイス、素焼きのお地蔵くんです。澄ました顔をしていますが、どうもこの庭にはまだ溶け込みません。新入りなので仕方ありません。
愛嬌があるので、そのうちこの庭に溶け込んでくると思いますが、嫁ぎ先を探しています。
さて、当社にもこの4月から、ニューフェイスが入りました。
37歳、一級建築士です。屋外環境を含めた住まいの在り方を勉強するため、はるばると鹿児島から、1年間の予定で当社に研修に来たのです。
1年後は鹿児島に帰り、そして屋外環境を含めた自然豊かで心地よい住まいを提供すべく、建築設計事務所を立ち上げるという志を抱いています。
私はそんな彼の夢の実現のため、1年間という限られた時間ですが、自然豊かで機能的な屋外環境つくりのノウハウを、できる限り彼に伝えていこうと思っております。
時代は変わります。こんな素晴らしい考え方を持った若い建築士が芽生えてきました。
美しい日本の風景、豊かな暮らしの風景を実現すべく、自分を高め、そして志のある若い人たちを応援していくことを通して、日本の街も美しく変わることを信じ、歩き続けようと思います。
それにしても、熱心な若い人たちは私に生甲斐とパワーを与えてくれます。当社の社員はみんな、私にとって自慢の若者たちです。
こうした良い若者に囲まれていると、日本の未来に光明を感じます。