事務所ごもり 平成23年9月3日
ここ数日、台風予報のために仕事の予定の見送りが続きました。しかしおかげで、たまってしまった野暮用が次々に片付き、それはそれで気持ちいいものです。
数日間、ほぼ1日中事務所にこもっています。仕事の合間に久々に、事務所で一眼レフカメラの練習です。
小さな小さな我が事務所の応接室兼休憩室です。ネットで検索して、初めて私の事務所を訪れて下さるお客様の多くは、田舎の小さな何気ない事務所に拍子抜けされる方が多いと思います。
実際に、お客様を招くほどの立派なところではないので、皆様あまり期待されずにお越しくださいませ。。。
昔の小さな木造小学校の一室のような雰囲気です。
休憩室の雪見障子が切り取る庭に、日々癒されています。木々の精気は本当に何ものにも代えられません。
私が独立してまだ駆け出しの頃に、茨城県真壁の石工から買った水鉢です。
若き日の私にしては良い買い物だったと思う、数少ない一品です。
水穴の両脇に、「布」の文字と「泉」の文字とが刻まれていて、布泉型手水鉢と言われます。
「泉のごとく湧き出して、布にしみこむように行き渡る、そんな風に仕事していけたらなあ」、との思いで、若き頃、私の事務所の入り口にこの大振りな手水鉢を据えました。
我が庭の主はこのお地蔵さんです。いい表情です。しゃがんで向かい合っていると、その優しげな表情に心がなごみます。
このお地蔵さん、やはり私が20代の若かりし頃、世話になった横浜の石工の親方にもらいました。
置き場を訪ねて「なんか面白いものないですか」という私に、「お地蔵さんもっていくか?」と言われ、そしていただいたのがこのお地蔵さんです。
昨年秋に、奈良県吉野山から私の下に来たのがこのお地蔵くんです。3兄弟です。いい感じでなじんできました。が、風格はまだまだ、年季の入った石のお地蔵さんに足元にも及ばないようです。この子たちはそういうキャラクターなのでそれもよしです。
毎日歩く、事務所前の石畳。10年後も20年後も、ここを毎日歩くことでしょう。そう考えると、愛おしくなります。
私たちがつくる庭も、そこに住まれる方が一生を刻む住まいの庭です。毎日歩き、毎日呼吸する。。よい空気をつくりたいものです。