ギャラリーうつわノート開設 平成23年4月23日
歴史文化的に貴重な町並みや建築物が残る川越の街に、「ギャラリーうつわノート」が本日オープンいたしました。
場所は喜多院のある小仙波町の一角、築80年の洋館 曙館がギャラリーに改装されました。
曙館は平成22年に川越市の都市景観重要建築物に指定され、その造園改修工事は高田造園設計事務所にて承り、つい先月に完成しました。
ギャラリーのオーナーは、ブログ うつわノートでおなじみの松本武明さんです。オープン企画展は5月10日まで、その間にはこれまでにブログうつわノートにて紹介されてきた数々の器が展示されます。
昨年の秋、初めて曙館を訪れた時、並べられていた数々の器の中でも、黄瀬戸の片口に目がいきまして、それを手にしてみました。
その片口はとても柔らかな表情で、長く使い込まれていて、いい具合に変化した貫入が素朴でなじみ深い味わいを見せていました。
私がその器を手にして眺めていると、「器は好きですか。」と、松本さん。そして、その黄瀬戸の片口を私に下さったのです。
後日、お礼のご連絡をいたした際、その返信のメールに下記の言葉が綴られていました。
「私の器を気に入ってくださりましたことも、とても嬉しく思いました。
あの片口は、由緒ある骨董品という訳ではありませんが、昔の人が日常の生活で使ってきた古器です。私は、むしろそういう名もなきものや、生活に根差した器にこそ、美が宿ると思っております。」
日常の器、それを大切に使い、味わう中で美しいものへと昇華してゆくもののようです。そして、何気ないものの中に美を見出す心こそが、日々の暮らしを心豊かにしていくように思います。
うつわを愛する松本さんがこれまでに収集された器が、5月10日までの企画展の間、歴史あるこの洋館に展示されています。
うつわノートのサイトアドレスは下記の通りです。
http://utsuwanote.exblog.jp/